金融機関の回復「待ち」

当時と現在を比べてみると、現在何が問題なのかがクリアになってくる。①不動産市場の復活を拒んでいるのは投資家のさらなる下落不安と、金融機関の回復「待ち」姿勢、貸し渋りである。②バブル期に購入、保有している企業やそれを担保にしている金融機関は、含み損の大きさに応じ、売却を心理的にも物理的にも進めにくい。③税制は、現在、保有税(固定資産税)に関してはバブル期の地価上昇抑止の「手段として値上げが断行された結果が今の高水準だ。地価上昇のなき今、さらに景気後退という情勢の一八〇度転換をみた以上、景気刺激のためにも、当面は大規模に下げるべきである。また、譲渡税や取得税に関しては、一部軽減されたものの、金融機関の不良債権処理上の無税扱いなどの手厚さにはとても及ばない。不動産をよりやすく市場へ出し、有効利用を促進させるためにも、こういった従来からの売買制限的な税制を根本に緩和するべきだ。当面、時限立法として譲渡税の五年以内の短期保有の売買に対しての重い税は廃止にし、現行の税率の最も軽いものに統一する。また、不動産の取得税は当面ゼロにすべきである。①の「下落不安」と「貸し渋り」に関しては、問題は二つある。